◆シューズの製造
内側から外側へ向かって手作業でシューズを造り上げていくBontの製造方法は、実に高度な技術と時間を要するため、現在、業界で主に採用されている製造方法に比べると実にかなりのコストがかかります。しかし、それがBontサイクリングシューズが業界をリードするパフォーマンスを実現している所以です。Bontの創始者であるインゼ・ボントが開発した製造ラインは、手作業によるモノコックシューズの効率的製造を可能にしており、この工程は今もなお改良が加えられています。カーボンを硬化させる汎用バキュームボックスを使用する方法が、バキュームフォーミング式の1気圧ではなく4気圧にする加圧ラッピングを採用する方法に切り替えられたのもその一例です。Bontのシューズ設計開発にかける熱意は製造工程における技術革新にも現れています。

Bontシューズの構造

Bontは他社とは異なる製作方法を採用しています。他社製品のほとんどは既成の靴底に既成のアッパーを糊で合わせて作られており、結果として二つの異なるパーツでできている履き心地になります。Bontでは内側から外へ向かってシューズを造り上げていきます。各部がエポキシ樹脂を使ってラミネートされ、モノコック構造、つまり外皮にも応力を受け持たせることで強度を高める一体成型になっています。

ラスト

最新技術と35年以上の経験を融合して作られたラストとよばれる足型(プラスチック製足型)が靴製造の基礎です。標準的なラストを作成するため、20,000点にのぼる足のスキャンデータを収集。そのデータに、インゼ・ボントによる35年のカスタムスピードスケート及びパフォーマンスシューズ製作経験、さらにプロサイクリストからのフィードバックが掛け合わされ、最も優れたサイクリングシューズの型として結集しました。

中底

ラストにはじめにとり付けられるのが中底です。熱成型EVAを使用した自社製素材で、PSC硬度規格(硬度を示す国際規格)65Aで厚さがわずか3ミリ。極めて軽量で、熱成型が可能です。

裏地

数百種類から厳選された裏地がとり付けられます。軽量でかつ強度にも優れ、匂いにも耐性を持ち、汗で劣化しにくい特性です。

型くずれ防止テープ

型くずれ防止テープがとりつけられます。このテープはシートベルトに似た素材で、長期間の使用による形状のくずれを防ぐ働きをします。

カーボンファイバー

走行時にかかる荷重を配慮しながらカーボンファイバーを手作業で貼り付けていきます。各カーボン層には独自の役割があり、外側には航空産業で使われる3k 198グラムの平織りカーボンを、内側には単方向カーボンを使用しています。単方向カーボンは繊維の束が平織りカーボンの半分で、特定の方向に対する強度を有し、カーボンの量が少なく、樹脂の吸収が低いため軽量に仕上がります。

アッパー

軽量アッパーが糊付け、縫合されます。通気性向上のためアッパーと裏地に手作業で通気孔が開けられ、バックルとストラップが取り付けられます。ストラップは足を靴の後方/下方に向かって固定する位置に設計されており、次に余分な糊が払拭され、16の品質管理工程を経て、高剛性と軽量性の両立を業界トップレベルで実現したシューズが完成します。